25℃より熱い夢 Reader 01 阿良々木先輩に乗る夢を見た。 乗る夢。比喩でも何でもなく、紛う方なき乗る夢だ。車に乗る夢や、船に乗る夢や、飛行機に乗る夢、という類であれば、多少は楽しさや浪漫があったのかもしれない。しかし、弾けるように目を覚ました私に残されたのは、後味の悪さと行為の感触の生々しさだけだった。 肌に浮いていた汗を腕だけで拭う。湿った夏の空気は夜になってもじっとりと重くて、逃げるように目を閉じる。 今夜も熱帯夜だ。 … 0