08
「これはこれは阿良々木先輩、ご機嫌如何ですか? お一人で過ごされているお昼休み、そろそろお腹が一杯で眠くなっちゃう頃合いですか?」
藪から棒に、僕の友達の少なさを嘆くような言い草を交えながら、そんな質問をくべてきそうな知人を、僕は一人しか思い付かない。
弁当箱を片付け終えたばかりの僕の机に影を落としたのは、予想に違わず、忍野扇ちゃんだった。
今日の彼女から、僕はどんな答えを期待されているのか。なんとなく察しがつかない訳じゃあなかったけれど、あえて自分から核心に触れるのは止しておこうとは思ったのだった。 …