Vampirism

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08

「これはこれは阿良々木先輩、ご機嫌如何ですか? お一人で過ごされているお昼休み、そろそろお腹が一杯で眠くなっちゃう頃合いですか?」
 藪から棒に、僕の友達の少なさを嘆くような言い草を交えながら、そんな質問をくべてきそうな知人を、僕は一人しか思い付かない。
 弁当箱を片付け終えたばかりの僕の机に影を落としたのは、予想に違わず、忍野扇ちゃんだった。
 今日の彼女から、僕はどんな答えを期待されているのか。なんとなく察しがつかない訳じゃあなかったけれど、あえて自分から核心に触れるのは止しておこうとは思ったのだった。

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もしも、もしも、もしもの話

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04

「阿良々木先輩を抱かせて欲しい」
 と、自室の畳の上に三つ指付いて懇願する(それが出来るようになったのも、たった半月でまたも混沌と化していたこの空間を、僕が遮二無二清掃活動を行った末、なんとか床を掘り起こすことに成功した為であることを忘れないで欲しい)神原駿河を目の前にして、僕はどんな顔をしていたのだろうか。きっと締まりのない顔をしていたに違いない。

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添い寝

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 沼地蠟花と一緒に寝ていた頃の話だ。
 あいつは不躾で趣味の悪い悪戯が好きだったから、寝ている私の胸に自分の頭を乗せてくるような奴だった。頻繁に私のおっぱいを枕代わりにした。

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