僕の神原がボブカットになった

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04

「そんな薄情な男さっさと捨てて、私と付き合いなさい」
「えっ!」
「冗談よ」
 なんだ、冗談か。
 ぬか喜びして損した。
 あなたからの告白に対する私の返事の文言は、何時だって『はい、喜んで!』だと決まっているのに。

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執着

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「男、もしくは幼女に生まれたかった」
「は?」
 廊下で僕の清掃活動を眺めていた神原は、突然そんな事を言った。

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疾駆

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 背に響くリズミカルな足音。
 僕の耳がそれを察知すると程なく、頭上に一瞬黒い影が差した。
 かと思ったら、僕の目の前に見知った少女が、たんっと子気味好い音を立てて着地する。

「やぁ、阿良々木先輩」

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Vampirism

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07

「阿良々木先輩。あまりこういうことは言いたくないのだが……最近の阿良々木先輩は、ちょっと自分に甘過ぎると思うぞ? 具体的に言うと、甘噛みが多い。阿良々木先輩の吸血性が高くなる時期ならば、ある程度は仕方がないと私も目を瞑っていたけどな。甘やかしていたけどな。しかし流石に、なんでもない時に私の身体を噛むのは止めて欲しい。昨日吸ったばかりじゃないか。ひょっとして、人肌を噛むこと自体が癖になっているんじゃないか?」

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するがウォーター

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 私は機嫌良く服を脱ぐ。
 タンクトップを捲り上げ、ブラを外し、パンツから足を抜く。
 自分で言うのもなんだが、機嫌が良いと脱ぎっぷりも良くなる、と思うのは私の気の所為か。
 勿論、上機嫌にはそれなりの理由があるのだが。
 全て脱ぎ終わり裸になった私は、風呂場の戸を勢いよく開けた。

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