きみと私の夏休み

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「プールに行かないか?」
 と、提案したのは神原の方だった。
 理由を聞けば、
「偶にはバスケ以外の遊びをしても良いじゃないか」
 という当たり障りのない返事が返ってきた。

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ひとでなしの恋

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03 彼女のそれは恋ではない

 別れるからには徹底的に別れよう。
 躊躇いなく割り切ったかのように下した決断は、言うほど前向きな気持ちにはなれなかったし、そんな身辺整理的な立ち振る舞いこそ、彼女には馬鹿で真面目過ぎると切って捨てられるのかもしれない。
 しかしどうしたってこれが私の選んだ結論で、その時選べた最善策で、その後、慕う先輩から身を引こうと決めた際もこれは貫き続ける想いとなる。

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ひとでなしの恋

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02 彼女のそれは頑迷である

 確かに、私と神原は付き合っていた。
 しかし、お互いをお互いの『彼女』と呼ぶのは何か違う気がしていたし、きっとそれは共通の認識だった。

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