ミザリーワルツ Reader 02 「ハロウィンって、いつだっけ?」 手元のスマートフォンでSNSのタイムライン(私は間違っても他人と繋がりたいなんて思わない)を追うのに夢中だった筈の沼地蠟花は、そんな質問を私に投げた。 … 2
ミザリーワルツ Reader 01 沼地蠟花のことは知り合う前から知っていた。 人の噂なんて当てにはならないけれど、しかし、そんな余計なエッセンスを含ませたフィルターを通してしか相手を見れないくらい、多量の噂を耳にしていた。 しかし、いざ本人を目の当たりにすると、どこか言葉にし難い。有無を言わさない雰囲気があった。それはいつ思い返しても、私を暗い気持ちにさせてくれる。 … 3