添い寝

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 沼地蠟花と一緒に寝ていた頃の話だ。
 あいつは不躾で趣味の悪い悪戯が好きだったから、寝ている私の胸に自分の頭を乗せてくるような奴だった。頻繁に私のおっぱいを枕代わりにした。

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うちのナースはおさわり禁止

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 沼地蠟花は基本的に病院があまり好きではない。
 苦手意識がある――とまで言うと大袈裟な表現になるかもしれないが、少なくとも、良い思い出を想起させることはないんだよね。
 まだバスケットプレイヤーだった中学生の私が、プレイ中の事故により己が自慢の足を失った結果、否が応でもお世話になった場所ではあるのだけれど――何分人生転落の直後だった故にやさぐれていた時代の話だし、そこから立ち直る為のリハビリはマジでキツかったしで、正直マイナスなイメージしか浮かばない。
 うん。さっきは否定したものの、トラウマと言っても過ぎた表現ではないかもしれないね。
 そんな風に、今や懐かしい学生時代の記憶を思い起こしつつも改めて注意深く蓋をして、私はナース専門キャバクラ店の前に立ったのだった。

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